子どもの頃にわくわくしながら読んだ 『ジャックと豆の木』。
たしかこんな物語だった。
ジャックは母親と二人の貧乏暮らし。
牛を売りに街に行こうとしたジャックは牛と豆と交換してしまった。
牛が豆に替わったのを見てお母さんは怒ってその豆を棄てる。
ところがその豆から出た芽はぐんぐん伸びて天まで届く。
ジャックが登っていくとそこには人食いの巨人の城があった。
ジャックはその城から金の卵を産む鶏を盗んで家に帰る。
味をしめたジャックはまた登って今度は金のハープを盗む。
ところがついに巨人に見つかり追いかけられる。
最後は先に地上に着いたジャックが木を切り倒す。
巨人は落ちて死にジャックは母親と幸せに暮らす・・・。
この絵本のどこが面白いかと言うとなんといっても
教訓的・道徳的な要素が全然ないところである。
ピカレスク・ロマン(悪漢小説)のような雰囲気さえある。
ものを盗んで追いかけられるわけだから教育的ではない。
巨人から必死で逃げるシーンはどきどきしたものだ。
悪ガキだったワクにはぴったりの絵本だったのだろう。