試合会場へは車で出かけた。神社の前で信号待ちだ。
ここぞとばかり窓を開けて神社にお願いをするワク。
(どうかワクより弱い方とあたりますように・・・)
今日の試合は東西に分かれての勝ち抜き戦。
3人勝ち抜いたところで下がるというのがルール。
礼をして蹲踞をして審判の合図で試合開始だ。
二人の竹刀と竹刀が交わりしのぎを削る。
(おぉ・・・ ラッキー! オイラより弱い!)
神様はワクの姑息な願いを聞き入れてくれたのだ。
剣道だけでなく大方のスポーツ(とくに格闘技)は
はじまって早い時期にお互いの実力がわかるものだ。
神様に感謝しつつ試合を進め1本勝ちを収める。
勝ち残りの抜き勝負なので二人目の挑戦を受ける。
(おぉ・・・ ラッキー! またしてもオイラより弱いぞ!)
ただし相手も一生懸命。油断したわけではないが1本取れない。
自信をもって打った技にもかかわらず審判の旗が上がらない。
時間切れの引き分けだ。3人抜きの野望はあっさり消えた。
そのあとは温泉。ゆったりと体を休めて宴会に備える。
40人ほどの宴会なのだがアルバイトのお兄ちゃんが
「最初にビール何本出しますか?」と聞くので
「とりあえず100本もってきて」と応えたら
「ほんとですか?」と驚く。
試合の後である。温泉の後である。喉が渇いているのだ。
中瓶のビールなんぞ15分で100本が空になった。