小学校の教員をしている娘がきのう久しぶりに来て泊った。
お風呂上りに髪の毛を乾かしながら鏡を覗いている。
ショートヘアなのに30分以上もしつこく髪をとく。
わけを聞くと「しらみ」がいないか点検しているとのこと。
理由はこう。娘のクラスに学習障害の子どもがいて
この一週間その子の家で勉強を教えたとのこと。
で。その子の家というのがすさまじいゴミ屋敷で
トイレとか「ぜったい用を足せません!」みたいな。
子どもに「みんなトイレはどうしてるの?」と聞くと
「大人は近くのコンビニでしてるけど」とのこと。
で。その子の頭には「しらみ」が住んでいて
うつってないか念入りに点検していたとのこと。
支援が必要だと思い自発的に通ったという。
「なかなかえらいね~」と褒めたらこう答えた。
「この子だって将来一人で生きていかなくちゃいけないでしょ。
なんとかして一人で生きられる力だけはつけてあげなくちゃ」
「惻隠(そくいん)の情」という言葉がある。
弱い人や困ってる人や苦しんでる人を哀れに思う心である。
それにしても娘は「教師」という天職を見つけたようだ。