一昨日お世話になった昔の仲間の話。
彼女の最初の結婚の相手は誰もが認めるイケメン。
震災前の神戸。ワクも招かれて披露宴に駆けつけた。
それはそれは綺麗なまばゆいばかりの二人だった。
パパ似のかわいい男の子ができたけどすぐに別れた。
はっきりとは言わなかったけれどDVのようだった。
それから一人で男の子を育てた。もともと逆境に強い性格だ。
一日いちにちを楽しく過ごす才能をもっている女性なのだ。
実家とも縁が切れてまさに女手ひとつで生きてきた。
そして今のご主人と出会った。背が高くてかっこいい。
ただしイケメンというよりも素朴で優しいご主人だ。
高校を中退してから洋食の修行を積んできた。
籍を入れて二人でいつかお店を持とうと誓って
ついに手に入れた街の小さな洋食屋さんだ。
二人の間に可愛い女の子ができて
お兄ちゃんに楽しく遊んでもらっていた。
けっしていつだって弱音をはかない女性だった。
なんでも笑い飛ばすような明るさが持ち味だったが
たぶん心の中では辛い思いをずいぶんしたことだろう。
洋食も美味しかったがその幸せな姿が一番のご馳走だった。