ワクの業界は構造不況で景気が悪い。
とくにうちのような小さなところは虫の息である。
ところが求人を出すとそこそこの人数の希望者が来る。
新卒者の採用はほとんどない。
ワク自身はその珍しいひとりだけど。
最近は任期制(2年)で採用することが多い。
2年後に新規雇用契約を結ぶ可能性ありの制度だ。
この制度はたしかに雇用する側に有利だ。
それでも募集者は集まる。買い手市場なのだ。
任期が切れる場合なるべく早く伝えることにしている。
次の就活があるからだ。6月中には伝えることにしている。
たいていの人は契約は2年間だが次もあると思い込んでいる。
もちろんそれがモチベーションでこれまで頑張ったんだからね。
だから伝える方は辛い。何事だろうと部屋に入ってくる。
大切なことは誠意だ。一つひとつ言い分を伝えていく。
相手の質問にはていねいに応える。納得してもらうしかない。
貴方の働きぶり云々ではなく契約通り任期終了なのですと。
新しい就活の際は全面的に応援しますからと。
推薦書が必要であれば遠慮なく申し出てください。
そう。誠意が大事なのだ。なにごとも。
本人が納得して部屋を出てもらうために。
今年もこの仕事を済ませた。粛々と…。
で。この後いちばん大切なこと。
それは当人の残り数カ月間の仕事ぶり。
ここものすごく大切なところ。人間が出る。