ワクは実家に帰るのが怖いんだと思う。
田舎が嫌で地元の香川大学とかに進学する
同級生がいることが信じられなかった。
当時のワクは一日でも早く実家を出たくて
進学するなら都会の大学と決めていた。
いらい実家は帰省するところで住むところではなくなった。
帰省地としての田舎は故郷であり心地よいところだった。
<捨てた>とまでは言わないけれど離れた故郷に帰るのは怖い。
顔も名前もわからない人たちのコミュニティーに入れるかどうか。
なにせ8年前に亡くなった祖母のお葬式は自宅葬で
座敷二間を抜いて祭壇をつくってお坊さんを呼ぶ形式。
そんな田舎なんだけど。いまでもみんな自宅葬だろうか。
地元に生まれ地元で育ち地元に生きる。
そういう人生もたしかにありだなと思う。
もちろんワクはそれができないからこういう人生なんだけど。
杖をついた父を見て帰郷する日が近づきつつあることを感じた。