出勤しようとしたら携帯電話の着信音が。
相手は中学時代からの仲間で学生時代も一緒に飲んで遊んだ男だ。
結局大学は中退して演劇の世界に入り今も東京に住んでいる。
だけど平日の朝の電話だ。なんとなく胸騒ぎを覚えながらとると。
同じ仲間の一人が癌で危篤だと奥様から電話があったとの事。
今から病院に行ってくると言う。詳しい話はまた後でと。
仲間のなかで一番のまじめ。コツコツと努力する誠実な人間。
国立大学の准教授で年の離れた奥様は教え子である。
これからという時ではないか。なにが起こったのか。
そういえば前に電話で話した時に
最後に彼はこう言って電話を切った。
お前のことはいつも思ってるからなと。
奇跡を祈るしかない。